これまで Sitecore Experience Platform (以下 XP)のデモ環境のセットアップを紹介してきましたが、今回は CMS のみのインスタンスを立ち上げる Sitecore Experience Manager (以下 XM)の環境をセットアップしていきます。
前提条件
今回は、以下の環境が整っていることを前提として、セットアップを進めていきます。
Windows Server 2019 Standard
Microsoft Azure の仮想マシンとして起動
SQL Server 2019 Standard
Visual Studio Code
パッケージの展開
Sitecore のサイトから XM のファイルをダウンロードします。今回は、10.1.1 をダウンロードします。
Sitecore 10.1.1 rev. 005862 (Setup XM1 Developer Workstation rev. 1.2.3-r6).zip
この zip ファイルを c:¥projects¥sif のフォルダに展開します。

展開をしたフォルダに License.xml のファイルをコピーしてください。
モジュールのインストール
展開をしたフォルダにある setup.exe を起動します。すると Sitecore Install Assistant の Welcome 画面が表示されます。

Start ボタンを押すと次の画面に切り替わります。この画面に表示されている Install のボタンをクリックすると、Windows Server に必要な設定が一通り自動的に実行されます。

インストールが完了すると、再起動をしてくださいというメッセージが出てきますので、再起動を実行します。
Solr のインストール
ここからは c:¥projects¥sif のパスあるファイルを利用してインストールの手続きを進めていきます。まず、Solr のエンジンをインストールするために、以下のコマンドを実行してください。
Install-SitecoreConfiguration .\Solr-SingleDeveloper.json

このコマンドで Solr のインストールが完了して、サービスとして起動するようになります。
インストールスクリプトの変更
上記のフォルダに、XM1-SingleDeveloper.ps1 というスクリプトが準備されています。このファイルの、以下の項目を変更してください。
項目 | 説明 | 例 |
---|---|---|
$Prefix | DB や インスタンス | XM1 |
$SitecoreAdminPassword | admin のパスワード | b |
$SCInstallRoot | インストールのルート | c:¥projects¥sif |
$SitecoreContentManagementSitename | CMS の URL | $Prefix.cm |
$SitecoreContentDeliverySitename | デリバリーサーバーの URL | $Prefix.cd |
$IdentityServerSiteName | Identity Server の URL | $prefix.identityserver |
$SolrUrl | Solr の URL | https://localhost:8983/solr |
$SolrRoot | Solr インストール先 | C:\Solr-8.4.0 |
$SqlAdminPassword | SQL Server のパスワード | password |
変更をしたあと、Powershell から以下のコマンドで実行をしてください。
.¥XM1-SingleDeveloper.ps1

インストールが完了すると、IIS 管理ツールを開くと3つのインスタンスが追加されています。XM1 の構成となるため、CM サーバー CD サーバー、Identity Server の3つのインスタンスになります。
日本語リソースのインポート
管理画面でログインをして、Desktop を開き、右下にあるデータベース名を Core に変更をします。

Control Panel を開き、Localization - Add a new language をクリックします。ここで _Japanese(Japan):日本語(日本)_ を選択します。

日本語のリソースをダウンロードします。
Sitecore 10.1.1 rev. 005862 (ja-JP).zip
このファイルを Sitecore の管理ツールをインストールしているパスの App_Data に展開します。

その後 iisreset を実行して再起動すると管理画面が日本語になります。

まとめ
これまでの Sitecore Experience Platform の環境と大きな違いとしては、XM は CM と CD に分かれて展開していることです。これにより、モジュールのインストールなどの手順も変わってきます。いくつかのモジュールのインストール手順に関して、今後順次紹介をしていきます。