Hero エリアの部品を作成する(前編)

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前回の記事でヘッダー、フッターのエリアを整理しました。今回はトップページで利用する Hero エリアのコンポーネントを新規に作成していきます。この手順を通じて、新しいコンポーネントの作り方を学んでいきます。

新規コンポーネントを作成する

新しいコンポーネントを作るために、jss のコマンドを利用してください。

jss scaffold Hero

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実行後、2つのファイルが出来上がっています。

  • sitecore/definitions/components/Hero.sitecore.ts

  • src/components/Hero.tsx

Sitecore の設定

コンポーネントのコードの準備ができたので、続いて Sitecore 側にテンプレートを作成します。今回のプロジェクトは、 /sitecore/templates/Project/sitecoredemo-jp がテンプレートの場所です。ここで新しいテンプレートを作成します。テンプレートの名前は Hero で、ベーステンプレートはデフォルトのまま進めてください。

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アイテムが出来上がったところで、今回はまだ何も項目を増やしていないため、Data の中に heading を指定、1行テキストを作成します。

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アイテムを作成した時のデフォルトの値を準備しておくために、スタンダードバリューを設定しておきます。

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続いてこのテンプレートを利用した共通アイテムを作成できるフォルダを準備します。 /sitecore/content/sitecoredemo-jp/Components の下に Hero のフォルダを作成します。

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続いてレンダリングを作成します。/sitecore/layout/Renderings/Project/sitecoredemo-jp に対して Json Rendering のテンプレートを利用してレンダリングを追加します。

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出来上がったアイテムは以下のようになります。

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最後に、プレースホルダーに対して作成したコンポーネントを利用できるように指定します。 /sitecore/layout/Placeholder Settings/Project/sitecoredemo-jp/jss-main のプレースホルダーの関連づけられたコントローラーに、Hero を追加してください。

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これで一通り準備が終わりました。

Sitecore のアイテムを作成する

今回はこれまで利用してきた Home アイテムを削除して、新しい Home アイテムを作成します。利用するテンプレートは /sitecore/templates/Project/sitecoredemo-jp/App Route です。 作成をしたホームアイテムは、Sitecore Demo というページタイトルのみにしています。

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アイテムができたところで、エクスペリエンスエディターを起動します。何もサブアイテムを持っていないため、ヘッダーとフッターだけのページが表示されています。

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空欄のエリアをクリックしてコンポーネントを追加する作業をすると、今回作成をした Hero のコンポーネントを選択することが可能なのを確認です。

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Hero を選択するとアイテムの選択画面が表示されます。ここではまだ何も作っていないため、新しいコンテンツを作成を選択し、アイテムの名前を設定、OK ボタンをクリックしてください。

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画面が切り替わり、今回はエラーが出てきました。開発環境の際にはこの時に手元の開発環境と繋いでおけばエラーが出ませんが、そうではない場合はこのようなエラーが表示されます。

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エラーが出ていても気にせず保存して、続いて手元の環境に戻ります。

ローカルで Sitecore と接続してレイアウトを作成する

手元の環境で、jss start を実行して Sitecore に繋いでいる場合はどういう形で表示されるでしょうか?次の画面が localhost でアクセスしている画面です。

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先ほど編集をしたエクスペリエンスエディターでの作業が反映されていることがわかります。Sitecore で作成をした /sitecore/content/sitecoredemo-jp/Components/Hero/HomeData1 のアイテムの中身を更新すると、手元のページが更新されれば正しく接続できていることになります。

データの項目を増やす

今回のコンポーネントのデータ項目を増やします。レイアウトの関係で、フィールド名も含めて変更をします。定義ファイルを更新します。

  manifest.addComponent({
    name: 'Hero',
    icon: SitecoreIcon.DocumentTag,
    fields: [
      { name: 'title1', type: CommonFieldTypes.SingleLineText },
      { name: 'title2', type: CommonFieldTypes.SingleLineText },
      { name: 'text', type: CommonFieldTypes.SingleLineText },
      { name: 'image', type: CommonFieldTypes.SingleLineText },
    ],
  });

続いて、表示するコンポーネントのファイルを編集します。

type HeroProps = StyleguideComponentProps & {
  fields: {
    title1: Field<string>;
    title2: Field<string>;
    text: Field<string>;
    image: Field<string>;
  };
};

const Hero = (props: HeroProps): JSX.Element => (
  <div>
    <p>Hero Component</p>
    <Text tag="h2" className="text-2xl font-bold" field={props.fields.title1} />
    <Text tag="h3" className="text-1xl font-bold" field={props.fields.title2} />
    <Text field={props.fields.text} />
    <Text tag="h3" className="text-1xl" field={props.fields.image} />
  </div>
);

今回は項目を増やしたので、Sitecore のテンプレートも変更します。なお、元々の項目を title1 と変更しているので、既存のフィールド名の変更も忘れないようにしてください。

サンプルとして用意しているアイテム /sitecore/content/sitecoredemo-jp/Components/Hero/HomeData1 の内容を更新しておきます。

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これで一通り変更をしました。テストページを参照するとどうなっているでしょうか?

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きちんとアイテムが表示されていることがわかります。

GitHub にコードを展開する

ここまで完成したコードを GitHub の development ブランチに展開します。展開されたコードは Vercel に自動的に展開されて、ビルドが完了するまで少し待ちましょう。ビルドが完了したところでアクセスをすると、以下のように編集可能なコンポーネントとして展開されているのを確認することができます。

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まとめ

今回は新しいコンポーネントを作成、Sitecore との連携の部分まで紹介をしました。長くなったので、このコンポーネントをもう少し編集するのですが、後編として次回お届けします。