Sitecore における多言語コンテンツの管理

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Sitecore は多言語サイトにおいて多く採用されています。背景として、コンテンツを多言語で管理する場合に必要とされる機能が標準で含まれているというのが強みであり、かつ当然ながら海外でも製品の導入があり、製品トレーニングなども英語で受講することができるため、導入に関して強みを持っている形です。

今回は、コンテンツを多言語で管理している機能を紹介したいと思います。

言語の追加

今回は、まだインストールされて間もない環境で確認をしていると考えてください。まず言語の設定を管理者の権限で確認をします。コンテンツエディターを開いて、システム - 言語 を見ると、標準のインストールでは en のみが設定されています。

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言語を追加するために、改めて管理ツール一覧の画面に戻り、コントロールパネル を開き、グローバリゼーション - システムに言語を追加する を選択します。

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このダイアログでは言語と地域を指定する形になります。今回は日本向けのコンテンツを管理するために、定義済みから日本語を選択します。

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エンコーディングの設定が可能となっていますが、すでに市場的には utf-8 のままで問題ないでしょう。

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スペルチェックに関しては日本語は辞書という形ではないため、スキップをします。これで、言語の追加が完了となります。

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アイテムの言語の確認

コンテンツエディターに戻って、言語が追加されているかの確認をします。ホームを選択すると、右上に言語の切り替えができる項目があります。クリックをすると、英語のコンテンツに対して日本語のコンテンツを追加できるようになっているのがわかります。

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サイトコアの場合、コンテンツに対して言語のデータをそれぞれ持つことができます。

フォールバック言語に関する考え方

今回追加をしたのは ja-JP と日本語のデータを管理する部分となります。日本は日本語が主な言語の国となっているので選択肢は一つになりますが、グローバルではそうもいきません。例えば、カナダは英語の国と思われがちですが、ケベック州などはフランス語が主な言語となっています。そして英語はグローバルで利用されている言語でもあります。

この地域に関する情報は、ロケールを利用して管理することができます。例えば以下のような記載方法です。

  • 英語 - en

  • アメリカ - en-US

  • オーストラリア - en-AU

  • イギリス - en-GB

  • カナダ - en-CA

  • フランス語

  • フランス - fr-FR

  • カナダ - fr-CA

同じ言語のデータを各ローケールに対してコピーをする必要があるでしょうか?この部分を効率化させる仕組みとして、フォールバック言語という仕組みがあります。英語をマスターの言語として管理しておき、フォールバック言語を英語とした各ロケールを設定することで、アメリカ、オーストラリアなどの英語のコンテンツはマスターのコンテンツが利用でき、またローカルで変更したい場合に、ローカルのコンテンツを展開できます。

これにより言語を増やして地域を増やしていく(グローバルコンテンツ)、各地域では地域に合わせた情報の展開をする(ローカルコンテンツ)という混在環境を作ることができるようになります。

フォールバック言語の追加

それでは、先ほど追加された言語ファイルを確認してみましょう。コンテンツエディターで /sitecore/system/Languages のアイテムを開くと、ja-JP が追加されていることがわかります。

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ja-JP のアイテムのデータを見にいくとフォールバック言語があります。

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今回は en を指定して保存しておきます。これで、日本語のデータがない場合は英語の情報を利用することになります。

まとめ

今回は言語の追加方法、およびフォールバック言語について紹介をしました。翻訳サービスと連携するツールを使うことマスターとなる言語のリソースに翻訳済のコンテンツが提供され、その上その言語をフォールバック言語としている言語にも自動的にコンテンツを展開することが可能になります。